サルバノのシルク〜Memories〜
会社員で手品師のコクトーです。
ではこのマジックの思い出話などを。
そもそもTチップの手品ってクラシック化してるものが多いですよね。レクチャーDVDもいくつか持っているんですが、演目として使えるものはそれほど多くない印象です。飲み会手品的に言うと、現象が小さいものが多いのがです。一円玉が消えるとかでは地味すぎますよね。
僕がTチップを使うのは、このサルバノシルク、タバコ消し、ビルチェンジ、あとはカードインレモンの途中で使うくらいでしょうか。でもタバコはプルの方がキレイに消えそうだし、ビルチェンジも今はビジュアルな手順が多くTチップにこだわる必要も無い気がしています。
※逆にそこのこだわりまくった以下のような本もありますが。。。
サルバノのシルクの手順は学生時代にボランティアで手品ショーをやっていた頃に、中継ぎネタとして習得しました。お客さんと絡みながら時間調整するのに最適なんですよね。子供へのウケも良くて、いつも楽しく演じていました。
珍しく人から教えてもらったのではなく、レクチャービデオだけで覚えた手品です。つまりはプロマジシャンの演目にもならないほどの古典なのかもです。マジシャン相手には当然全く受けないですよね、あぁTチップかと退屈される感じ。いや良いネタだから好きなんですけどね。
僕はカメレオンシルクも好んで演じるんですが、それの代わりにこっちをやったときに、連続で見ていたお客さんからカメレオンシルクの方が面白かったと言われた事があり、それがレパートリーから外れた原因の一つかもです。繰り返し沢山の手品をする中で演目に加えたいネタなんですが、短時間に最高のネタを詰め込んだショーにしようと思うと演目から外れてしまう、なんとも申し訳ない話です。
この記事を書いていたら、また演じてみたくなってきたのでクライマックスをもう一度考えてみたいと思います。ここに良い思い出を書き加えることができるようにがんばってみます。
サルバノのシルク〜Routines〜
会社員で手品師のコクトーです。
僕のシルクの手順をお客さん視点で書きます。
第一段
・お客さんからハンカチを借りる
・左手の拳の上にかけて、お客さんに指で凹みをつくってもらう
・そこにおまじないをかけると、長いリボンが出て来る
第二段
・リボンを凹みに押し込む
・おまじないをかけると通り抜けますと説明する
・ハンカチを取り去るとリボンがない、左手の拳から出て来る
第三段
・今度はハンカチ無しでやりますといって左手の拳にリボンを押し込む
・おまじないをかけると通り抜けますといって左手を開くとリボンがない
・通り抜けています、裏側に行ったわけではなく、中に入っていますと説明する
・左手を上に上げて、こうすると肩くらいに来ますと説明
・そのまま飛び跳ねて右肩、右肘を移動して、右手に来ました
・と言いながら、右手の拳からリボンを取り出してみせる
第四段
・今度はお客さんと一緒にやりますと言って左拳に押し込む
・投げるから受け取ってくださいと言って投げると左手にリボンがない
・キャッチに失敗しましたね、といってお客さんの袖口からリボンを取り出す
第五段
・再びハンカチを左手にかけてお客さんに凹ませてもらう
・凹みにリボンを押し込む
・このままだとさっきみたいに逃げられるので、蓋をしますという
・ポケットからコルクを取り出して凹みにフタをする
・おまじないをかけるとリボンはなくなっている
・ハンカチをお客さんに返して終わる
面白い手品なんですが、やっぱりオチが弱い気がしますね。さほど特殊なことはしない構成ですが第三段の通り抜けて中に入っていますといって、右手から出す所は、我ながら馬鹿馬鹿しい演出で気に入っています。
第四段のお客さんに投げるところも動きが大きくなり舞台が広がるので楽しいです。特に子供にうけますね、パーカーを着ている人がいたらフードから取り出したりもします。逆に大人ばかりの飲み会ではやりにくい手順だったりもします。ワイシャツの上に上着をきている男性だとやりやすいかなと思います。
そして問題の第五段のクライマックスがなんとも言えず弱いですね。一応フタという小道具を追加して誤魔化してはいますが、これまでの移動現象に対して消えるという現象はグレードが落ちているような。。。
クライマックスを無理やりひねり出すとすれば。。。
・ポケットから栓抜きを取り出しておまじないをかける。ハンカチからビール瓶が出て来る
・リボンではなく白いシルクを使う、実はこれハンカチじゃなくてお化けなんですと言ってスポンジお化けを出す
・最後はリボンではなく数メートルに及ぶ大量のハンカチがでてくる
と言ったところでしょうか。ただどれも飲み会で即興でやるには準備が面倒ですね。マジックショーには良いのですが、飲み会手品としては厳しいところです。即興で出来て、ちゃんとしたオチがつくアイデアを検討していきたいと思います。
今日はこのへんで、次回は思い出話です。
サルバノのシルク〜Introduction〜
会社員で手品師のコクトーです。
今日はサルバノ氏のシルク手順のご紹介。Tチップの演技のお手本とされているやつです。
飲み会向けの利点としてはとにかく道具がコンパクト。ハンカチをお客さんから借りるのであればポケットの中にTチップ入れとくだけで始められます。ちなみに僕はズボンのポケットの中にある小さいポケットにいれています。ポケットの中に仕切りがあるズボンって手品師的には便利ですよね。500円玉入れたり、Tチップいれたり。特にTチップは向きが大事なので、ベストポジションで保持できていれば演技の開始がスムーズです。
演技は完全にお客さんとの絡みで構成されるので、人数の多い飲み会で色々な人に見せるのに良いです。お客さんの袖口から取り出す演技をよくやります。
ちなみに僕は通常のシルクではなくストリーマーシルクを使っています。細長いやつですね。利点が2つあって、まずは実際よりも大きく見えること。取り出す時にまだまだ出てきますという感じに見えるので見栄えがよくなります。二つ目の利点は保存のしやすさ。きれいにロールした状態でTチップに入れておけばシワシワにならずに使えます。最初に取り出す時にコツはいりますが、普通のシルクを長時間Tチップに入れておいて取り出すよりはシワシワにならないはず。
角度にも強く、かなりの人数に見せられて、演技の時間も調整しやすく、難易度も低いということで、中継ぎの手品としては非常に優等生です。
問題点としては中継ぎとしては優秀で、オープナーとしても十分使えるとは思うのですが、クローザーにするにはパンチが足りないこと。最後のオチが元通りに消えてなくなるだけなので、どうしても弱いですね。演技中は不思議で楽しい感じになるんですが、最後が消えるだけというのが良くも悪くも古典手品らしいです。
同じようなジレンマがロープマジック全般にもあるんですが、とにかくラストが弱い。マジックショーをやるなら中盤に入れるネタなんですが、飲み会で軽く一個だけ見せるという状況では、これを選択しづらいです。
昔は飲み会で何回でも手品できるように常にフル装備していた時期があって、そんなときには非常に頼れる手品だったんですが、一回やって終わりという事が多い最近ではこいつの出番がなく、演じる機会がめっきり減っています。
無理なくインパクトのあるラストを付け加えたらレギュラー入りできそうなので、この記事を書いたのを期に、色々と考えてみたいと思います。
ハンキーパンキー?~Memories~
会社員で手品師のコクトーです。
では、ハンカチとコインの手品の思い出話。もともとは学生時代のサークルにいたコインの達人から教えてもらいました。コインのテクニックが不足していてもそれなりに見えてしまうので、大変重宝しています。
クライマックスの部分は色々な変遷を辿っています。最初に教えてもらったときはコインを完全に消してしまって終わる手順でした。確かワイシャツの胸ポケットで処理してました。ジャンボコインを手に入れてからは、ラストをジャンボにしましたが、出るだけだとなんとなく寂しいので虫眼鏡を出して、大きく見えるだけなんですというオチをつけてみたりした時期もあります。10円玉のジャンボを手に入れてから今の二枚のジャンボコインが出て来る手順で落ち着いています。ちなみにジャンボ10円玉はサークル仲間が使いみちが思いつかなくてくれたものです。僕もこの手順以外で使い方が思いついていないです。
最初の方にボトルを出すのも後から追加した手順です。ボンバー畑氏が最初にデックと栓抜きを出してからボトルを取り出してたのを真似しています。元ネタボブリード氏らしいのですが、見よう見まねでやっています。コインが出たという現象をミスディレクションにしてボトルを取り出すという流れが好きなんですが、手順的にはコイン→ボトル→コインとなるので現象が大きくなったり小さくなったりバランスが悪いかなとも思っています。
マンモスコインもこの手順に加えられると思って買ったんですが、扱いが難しくてしばらくはお蔵入りしていました。ちなみにマンモスコインは以下を使っています。
このマンモスコインは見た目がきれいなのと軽量なので非常に扱いやすいのですが、お客さんに持たせるには質感が安っぽいのが難点だなと思っています。そして軽いといえ、これを体からロードしようと思うと仕込み位置が難しく、一回演技前に床に転がしたことがあります。ふじいあきら氏の手順などを勉強すれば、もっと良い使い方がわかるのかもですが、技量的に無理そうなので尻込みしています。
そんなわけでロードする場所が決められなくて使っていなかったんですが、先日自分の手前に置いた道具箱からロードする形で解決しました。その際に使用したのは道具箱ではなく以下リンクのカバンです。
このバッグ、普通に仕事での通勤用に買ったんですが、「の物を取り出しやすい形で自立する」という大変都合の良い特性があります。机において自分側に口が開くよう置くと、お客さんからは中身が見えないので、手品師の道具入れとして非常に都合の良い状態になります。中にも細かい仕切りがつけられるのでマンモスコインを立てた状態で保持したり、何かを捨てながら道具をスチールするのにも大変好都合です。会社員手品師向けのアイテムとしておすすめです。
話がそれましたが、この手品に使うハンカチの最適解がまだ見つかっていません。大きめで500円玉の色とかぶらなくて裏表の区別がなくて質感が良いハンカチを探しています。綿のハンカチはシワになってしまいますが、あんまりツヤツヤのハンカチだと日常品に見えなくなるというジレンマもあり、紳士用のハンカチ売り場で悩む日々です。
と、いったところでハンキーパンキーというのかわかりませんが、ハンカチとコインの手品についての紹介を終わります。
ハンキーパンキー?~Routines~
会社員で手品師のコクトーです。
手順の紹介ということで、準備をきっちりやったフル手順を記載します。
第一段
・ハンカチを取り出し、真ん中に注目してもらう
・軽く隠すと、真ん中にコインが出てくる
・その後、ハンカチからビンが出てくる
第二段
・ハンカチの端でコインを隠すと消える
・ハンカチを軽くしごくと、下からコインが出てくる
・コインにハンカチを被せるが、すり抜けて出てくる
第三段
・コインをポケットにしまうが、戻ってくる
・再度ポケットにしまうが、また戻ってくる
・もう一度しまいおまじないをかけると、ジャンボコインが出てくる
・更にもう一枚ジャンボコインが出てくる
第四段
・更に大きなマンモスコインがいきなり出てくる
というのがフル手順になります。が、実際にやるときは簡易版が多いですね。最初のビン出しは飲み会ではさすがに仕込が大変なのでやりません。ラストのマンモスコインも捨て箱からロードするようにしているので、準備が整った環境でしかやらないです。ジャンボコイン二枚は体に仕込むので、比較的場所を選ばずにやれます。
ぶっちゃけポンタ氏の演技のデッドコピーですね。。。
ポンタさんみたいに上手くできたら良いんですけどね。
第一段でいきなりビンを出しますが、飲み会では準備が面倒なのでやりません。飲み会用の別の手順として、コインの後にテーブルの上にあるビールジョッキを出してみたりすることもあります。事前に位置を調整しておいて、コインに視線を集中させていれば、案外スムーズにスチールできます。
第二段は状況によってやることを変えます。リテンションバニッシュをすることもあるし、中に包んだコインが出てくる演技をすることもあります。
第三段の戻ってくる所は、上手い人ならしつこく繰り返して笑いを誘ったりするかと思いますが、僕は技術に自信がないのでさらっと流します。戻ってくるときの演出として「コインをポケットに入れたのに言うことを聞かない」という話をするときもあります。ポケットに入れたけど戻ってきて手品が終われない→軽くたたいてポケットにしまう→いうことを聞かずに戻ってくるばかりが大きくなって戻ってくる→さらに仲間の10円玉まで連れてくる。というストーリーで見せています。ジャンボコイン二枚をぶつけ合わせると音も大きいので派手に見えますね。
クライマックスの第五段はジャンボコインをお客さんに手渡すと、そちらに視線が集中するので、その隙にマンモスコインを手元に置いていたカバンからスチールして出します。マンモスをハンカチに隠すのは位置調整が難しいのですが、まぁ多少見えてても視線が外れていればなんとかなります。本当はボディロードにしたいんですが、体に仕込んで演技前に落ちたのはトラウマがあるので諦めています。飲み会中に仕込んどくのは無理がありますしね。
テクニックのみで演じるワンコインルーティーンではジャンボコイン一枚が限界ですが、ハンカチをうまく使うことでマンモスコインまで出せる手順となります。コインマジックというよりはプロダクションに近い手順ですが、気に入っていてよく演じています。
今日はこの辺で、次回は思い出話などを書きます。
ハンキーパンキー?〜Introduction〜
会社員で手品師のコクトーです。
今日はハンキーパンキーというのか自信がないけど、昔知り合いに見せたらハンキーパンキーと言われた手品についてです。
ワンコインルーティーンでも書きましたがコインの技法の精度が低いので、それを補う手段を色々と講じています。その一つがハンカチを使用すること。コイン単体で見せるよりも誤魔化しがききます。またハンカチの動きが加わるので、見た目にも少し派手になります。もちろんその分コインマジックとしてのピュアさは激減していて、コインマジシャンからすれば言語道断なんでしょうが。。。
あと詳しくは手順で説明しますが、ワンコインルーティーンよりもクライマックスを派手に出来るのも居酒屋手品としては強みです。なんせ相手は酔っぱらいなので、コインが一枚二枚増えても見えてなかったりするので。。。
学生時代にコインのうまい友人がいて教えてもらって覚えた手品です。多分元ネタはデビッド・ロスです。友人は難しいテクニックを色々と挟んでいてマニアックな手順なんですが、僕のは難しいところを端折った安直な手順です。結局クライマックスをやるための前フリみたいにやってしまっていますね。
ワンコインルーティーンより道具が増える分、事前に準備をする必要がありますが、あらかじめ手品を見せることがわかっている時には準備しておいてこちらをやります。特殊なケースとしてはワンコインを少しやった後にハンカチを取り出して続きを演じることもあります。僕の場合、ワンコインルーティーンとこっちではジャンボコインの仕込み位置が違うので、準備の仕方に悩みます。
使い方としては、やはりワンコインルーティーンと一緒でオープナーに最適です。ハンカチもコインも日用品なので導入として良いと考えています。ワンコインルーティーンの上位互換ですね。
と、言ったところで終わりです。次回は手順を紹介します。
ホーミングカードプラス〜Memories〜
会社員で手品師のコクトーです。
ホーミングカードプラスの思い出話。チャイナリングのときにも書きましたが、この手品もMrマリック氏に見せてダメ出しを受けました。
こちらについては相手が考えるよりも前に話を進めすぎと注意されました。確かにマリック氏の演技スタイルは相手に不思議であることをじっくり説明して現象を強めるスタイルに思われるので、ご指摘はもっともです。
とはいえ僕は不思議さよりも楽しさの方を重視しているので、不思議であることをじっくり噛み締めさせるような演技はあんまり好きではなくて。。。結局は好みの問題ですね。
この手品自体は学生時代にサークル仲間がやっているのを見て、面白かったのでレパートリーに加えました。それなりにカードマジックの経験があれば見ただけで真似して通せてしまえるのがこの手品の良いところであり悪いところですよね。そういうところも不思議さよりも楽しさを重視した演目の特徴ですね。
お客さんの反応で印象的だったのは、ポケットのカードをお客さんに取り出してもらうところがセクハラにあたるのではないか?と指摘を受けたことと、取り出して渡していく時になんで!さっきはなかったのに!と悲鳴があがったことがあります。前者は会社の仕事仲間で飲みに行って演じた時なので、ただのヤジですね。後者はお客さんが今の現象の何に驚いているのか?を考えさせられます。お客さんには取り出したトランプが違っていたから次のトランプが飛んできて、それでも違うから次のが飛んできて、という移動が何度も繰り返されるという認識をしてもらうべきなんでしょうね。演じる側としては深く考えない部分ですが、お客さんにどういう風に不思議がってほしいのか?をよく考えて演出をするべきだと改めて認識しました。
トランプの移動現象ということで、アンビシャスカードともろかぶりなので、どちらを選択するかを良く悩みます。個人的にはアンビシャスカードよりもホーミングカードプラスの方が好きですが、上着を着ていないときにはできないのでアンビシャスカードも出番が多いです。アンビシャスカードを演じた次の飲み会くらいでホーミングカードプラスをするというのが、大体のセオリーになっています。お客さんにはアンビシャスカードでトランプマジックに慣れておいてもらう、というイメージですね。
と、いうことでホーミングカードプラスに関する思い出話でした。