チャイナリング(小)〜Memories〜
会社員で手品師のコクトーです。
チャイナリングについて、思い出や想いなどを書きます。
最初の記憶は小学生の時、手品に興味のあった僕に、父が買ってくれたのが出会いです。練習が必要と書いてるから教育に良いと判断したのだと思いますが、当然小学生に使いこなせる代物ではなく放置されました。
学生時代に本格的に手品を始めてもしばらくは手をつけませんでしたが、いっしょに手品のサークルに入ってる同期が上手くて、教えてもらったのが再スタートです。学生時代はとにかく時間があるので練習をしまくりました。最初は手に血豆つくったりしながら。リングの良いところは道具が消耗品ではないことです。カードは練習するとへたりますが、リングはいくら練習してもへたらないのでコストパフォーマンスが良く安心でした。
とはいえサークルでの練習だけではここまで持ちネタにはならなかったです。やはり大きかったのはデパートの手品コーナーでのアルバイトです。学生時代に先輩の紹介でデパートに立っていたのですが、平日は本当にお客が来なくてやることがなく、ひたすらリングをやってました。遠くの方のお客さんにアピールしてみたり、色々な技をつなげてみたり、ひたすら手順を通してタイムアタックをしてみたり。つまりはひたすら遊んでいました。
手品を覚える時に時々思い出すのがHUNTER×HUNTERのクラピカの念能力の習得についてのセリフ
「目をつぶって触感を確認したり何百枚何千枚と鎖を写生したり、ずーっとただ眺めてみたり舐めてみたり、音を立てたり嗅いでみたり」
「鎖で遊ぶ以外は何もするなと師匠に言われたからな」
「さらに日が経つと幻覚の鎖がリアルに感じられるんだ。重さも冷たさもすれあう音も聞こえてくる。」
当時の僕のリングの扱いってこんな感じだった気がします。
ここまですごくはないけど。。。
そうしているうちに気づけばサークル内で1番リングが上手くなり、新入生に教える担当になりました。人に教えると無意識の動きに色々と気づきがあり、結果的に更に上手くなったきがします。
忘れられない出来事としてMr.マリック氏とのエピソードがあります。なにかのテレビの企画でマリック氏に手品を見てもらえる機会がありまして、当時の得意ネタということでリングとホーミングカードプラスをやりました。それを見たマリック氏から「リングから始めた人はマジックが上手くならない」との発言をいただきました。今思い出しても結構酷いこと言われたなと思います。この時は他にも「あなたの演技は借り物だらけで自分らしさがない」とか「マジシャンは役者じゃない」とかボコボコに言われました。僕の演技にオリジナリティがないことへの指摘なのでしょうが、そこまで言われる筋合いはないと反発した覚えがあります。
他にも学生サークルの交流のお泊りイベントでリングを見せた際にすごく好評で、その後の交流会で沢山の人から教えてくれと頼まれて、一晩中リングを教えたり見せたり見せられたりしたのも良い思い出です。あの夜はずっと頭の中でリングがチャリチャリなってました。
その後もさまざまな場で見せて、何度もリクエストされたりもしたので、僕の代表的な手品となっています。きっとこの先も、色々な人に見せていくことでしょう。リングが繋いでくれたご縁も結構ありました。本当に大切な手品です。